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ELLE誌プルシェンコ・ロングインタ(前編)

ELLEにプルシェンコのロングインタが掲載されました。ファッション誌だけあって写真がいい感じですね。

長いインタなので、今日は前半部分だけ掲載します。
実は1箇所意味が取れないところがあったので、そこは想像でカバーしていますので間違ってるかもしれません。一応、本文中に註を入れています。

* * *

エヴゲニー・プルシェンコはオリンピックのメダルを3つ持っている。2002年と2010年の銀メダルと、2006年トリノ・オリンピックで獲得した金メダルだ。しかし、彼は12回も手術をしていて、しかも最近のものは椎間板を交換するものだった。そんな手術をしてしまったら、トリプル・トウループどころの話ではない。ワルツでさえ気をつけて踊らなくてはいけないくらいのはず。しかしエヴゲニーは、4度目のオリンピックをも整復したいと考えている。懐疑的であったオリガ・イスラムキナも、インタビューの後には、このスーパーマンとお茶をともにできるという運があってよかったとの感覚が残った。


オリガ・イスラムキナ


(一番大きな「なんのために?」という質問から始めたいと思います。いったいなんのために、怪我や大きな手術を経験してもあなたはスケートを続けるのですか?)
僕には夢と目標がある。4度目のオリンピックに出るという。

(しかしどうして?すでにフィギュアスケートの歴史に名を刻んでいるのに)
誰も到達し得ないような結果を残したい。3度のオリンピックで滑るというのは、もしかすると他にもする人がいるかもしれない。いつかはわからないけど、可能なことだ。でも4回というのはありえない。現実的じゃないよ。

(どうして他の人には現実的でないことが、あなたにとっては可能なのでしょうか?)
僕がそれができるたった1人の人間だからだ。ここで謙遜はしない。実際は謙虚な人間なんだけどね…。

(あなたの何が特別なんでしょう?)
僕に才能と我慢強さとスケートへの愛を授けてくれた神様のおかげだよ。それから、家族やコーチ、僕を助けてくれる人たちがいるから。

(つまり、誰よりも我慢強くて、誰よりも才能があると?)
僕がどんな人間かは、観客や妻やコーチが判断してくれるだろう。フィギュアスケーターは2つの種類に分けられる。エキシビションで滑るのが好きな人と、競技をするのが好きな人に。前者が8割だろう。僕は、ジャッジが見ている時のような、アドレナリンが出るような方が好きだ。戦っているときの危険な感覚、競技前の気分を好む。転んでしまうのではないか、うまくできないのではないかという気分を味わうのも悪くない。もちろん、競技とショーを並行的にやっているけどね。2006年にオリンピックで優勝したけど、それから3年間は競技に出なかった。長い期間休んだけど、それでもアマチュアに戻ってきた。2009年にも手術をしたけど、復帰して3度めのオリンピックに出るなんて無理だとそのときもみんな言っていた。でもユーロとロシア選手権で優勝したし、オリンピックでもほぼ優勝したようなもんだ(ELLE註:2010年のバンクーバーオリンピックでエヴゲニーは銀メダルを取っている)。またやってみなくちゃ。スケーターの多くは、プルシェンコにそれができるなんて信じられないと今また言っている。

(同僚があなたを信じていないと?)
そうだね。でも2010年のときもそれを経験したから。リンクに戻ってきた時、そのときは僕に近しい人だと思っていた人が、アップをしてるときに通りかかって言ったんだ。「え、出るの?面白そうだな!」って、薄笑いを浮かべてね!親しい人でさえ、僕を信頼していなかったんだ。でもその後みんな何も言わなくなったね。黙り込んだ。僕はちゃんと演技ができたからね。今回また、みんなショックを受けている。いったいどうやって?って。でも僕は言うんだ。31歳でも現実に滑れる、と。希望を強く持って、練習を多くこなし、筋肉や関節がよく機能しているのなら、演技はできる。ちょっと前に、外国のジャーナリストから、スケートを続けることについて何が僕を説得したのかと訊かれた。でも、クレムリン(訳注:政府)も、スケート連盟幹部も、誰も僕が必要だなんて説得しようとしたことはない。給料も、他のフィギュアスケーターがもらっているのと同じだしね。ワールドで10位や15位を取るような人と同じ。

(本当に?)
もちろん本当だよ。

(でも、優勝するような人であれば広告契約がもらえるでしょう。)
それはまた違う話。広告は僕の名前と妻とマネージャーがやっていることで、オリンピックに出場しろと説得する人はいなかった。アマチュアに残るということは、2010年のバンクーバーオリンピック出場後に決めた。フリーのあと僕に2位がつけられたときに、キャリアを続けようと思ったんだ。ただ、今回の復帰は、手術の後難しいものになった。椎間板をポリマー素材の人工のものに取り替えて、4本のボルトで留めて、その次の椎間板も鈎で留めている(ELLE註:手術は2013年1月に行われた)。自分のものじゃない椎間板を入れてどうやって滑るのか、わからないのも無理は無い。自分自身もときおりわかっていないことがある。なかなか目覚めることができず、ベッドからおきあがれないこともある。慣れて、シャワーを浴びて、筋肉があたたまるまで2時間は必要だ。マッサージや痛み止めも…。こんな手術をしたらふつうは誰もスケートをしたりしない。でも僕は自分のために滑るんだ。克服できるくらい強い人間かどうか、確かめたい。

(それでもまだ自分に証明していないというのですか?)
証明できたら、自分をもっと強く信じることができるだろうね。

(4人のお子さんがいらっしゃいます(ELLE註:マリヤ・イェルマークとの最初の結婚でエヴゲニーには息子のエゴールがおり、またヤナ・ルトコフスカヤと一緒に彼女の2人の息子を育てている。2013年1月に夫妻には息子のアレクサンドルが誕生した)。人工椎間板を入れてスケートをすることで、どんなリスクを犯しているのか意識していますか?例えば、下の息子と自転車で走り回ったりできなくなるかもしれないんですよ。)
些細な事だ。何でもありうる。僕は自分の体に注意深く耳を傾けている。僕の体の構造では、問題なのは椎間板それ自体に直接衝撃を与えるような大きな事故か、難しいエレメンツでの転倒のどちらかだけだ。

(まさにその難しいエレメンツばかりを練習しているのでは。)
リスクを取らない者がシャンパンを飲むことはない。僕が障害者になるかどうかを知るのは神のみだ。最初、手術後3ヶ月経って滑り始めたころは、大きな恐怖だった。この障害を乗り越えることはできないんじゃないかと思った。体の構造が椎間板から離れていってしまうのではないかと怖かった。歩くこと、ベッドから立ち上がること、きちんと座ることからまた覚えなくてはいけなかった。湯船の端から足を投げ出すことさえできなかった。本当に破滅だった。でも、ロシアのボブスレー選手で、大会で大きな怪我を負ったにもかかわらずまた歩けるようになった女の子のことを思い出した。アンドレ・アガシの本も読んだ。スポーツ界での僕のアイドルなんだけど、彼も腰に大きな問題を抱えていた。あと、ハルラモフの映画も見た。僕の親友であるフョージャ・エメリヤーネンコをいつも見ならっていた。世界にはとてもつよい人たちがいて、僕もそういったお手本になりたいと思う。フィギュアスケーターのことも見ている。今、リンクの上では、多くの子供達が「プルシェンコみたいな」型で指導されている。子どもたちが僕をどう見ているか、わかっている。僕はそれが嬉しい。

(あなたとヤグディンのどちらの方が本質的※なのですか?やはりお二人には輝かしい対決の瞬間がありましたが)
そう。リョーシャは僕の強敵の1人だったといつも言っていた。素晴らしいスケーターだ。でもそれは2002年のことだから、もうそろそろ忘れてもいいんじゃないかな。それに負けない新しい英雄たちがいる。僕ら2人が出場した2002年のオリンピックから、もう12年も滑り続けているんだ。たぶん、やっぱり僕のほうが本質的※だね。リョーシャは素晴らしいスケーターだけど、最近、僕がなんのために滑ってるかわからないって言っていた。でも、ぜったい何かのために滑らなくちゃいけないのかな?誰かが僕にお金をくれるから、と彼は考えているのか。自分を判断基準にするのではなくて、単に「僕ならそうしない」と言えばいい。2010年のオリンピック金メダリストのキム・ヨナは、復帰してワールドにも出場し、オリンピックに行こうとしている。あるいは、サラ・ヒューズやタラ・リピンスキは、16か17でオリンピックで優勝して、すぐに引退してしまった。子供を産んで、ショーで滑っている。以前はそうだった。メダルを獲って逃げるんだ。僕はその考え方を変えたい。若い奴らだけのスポーツじゃないんだ、25や30まで勇気を持って滑り続けられるんだと。もちろん、よりしっかりとウォームアップして、ストレッチしなければいけない。僕を止めるのは、痛みだけだ。12回の手術というのは、あまりにも多すぎる。

(続く)

* * *

※「больше подстриженных под вам или Ягудина」というところがよくわかりません。直訳だと、「あなたとヤグディンの下でどちらの方がより毛を刈られているのか」って感じですが…。とりあえず、「本質的」としましたが、たぶんずれていると思います。

テーマ: フィギュアスケート | ジャンル: スポーツ

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