無料アクセス解析

ラファエル・アルトゥニヤン:「プルシェンコは異なった質へと変わった」:浅田、羽生、コストナー、リプニツカヤ、アシュリー、チャン、町田

今朝の練習セッションを見ていたラファエル・アルトゥニヤンに、エレナ・ヴァイツェホフスカヤ記者がインタビューを取ってくれました。抄訳をつくりましたのでご参考まで。

* * *

ラファエル・アルトゥニヤン:「プルシェンコは違う質へと変わった」


エレナ・ヴァイツェホフスカヤ(ソチ)

朝の女子と男子の練習を、シングル・スケーティングの高名な専門家であるラファエル・アルトゥニヤンとともに見ていた。彼が教えているアシュリー・ワグナーのスケーティングが終わった後、コーチはリンクサイドに残っていた。

リンクを見ながら、アルトゥニヤンは突然話し始めた。リンクでは、5人と言われていたグループで、3人が滑っていた。浅田真央、カロリーナ・コストナー、ユリヤ・リプニツカヤだ。

* * *

それでも、小さな女の子が大人の女性と競うといことに賛同はしない。

(ユーリャが気に入らないとでも?)
気に入ったよ。すべてクリーンだし、美しい。でも違う種目だ。

(その意味は?)
そのままの意味だ。女の子が女性としての体型を持たないうちは、全てがより少ない努力でできる。有名な事実だ。もしリプニツカヤが、彼女の体型とコンディションでは現実的な3Aや4Tを跳ぶのなら、専門家としてそれは凄いと言うだろう。そんなエレメンツを持っていたら、言うまでもなくライバル全員を上回るだろう。2つ目の問題は、私が大人の女性の滑りの方により畏敬の念を感じるからだ。しかも、エレメンツでは大きな違いがない。リプニツカヤは3+3を跳ぶが、コストナーも同じようなコンビネーションをやっている。女子スケーターの3回転3回転コンビネーションの中には違いはあるが、アメリカ人に言わせれば「Big Deal」ではない。たいして重要ではないんだ。

(大人の女性スケーターの中では誰が好きですか?真央、それともカロリーナ?)
カロリーナは昨シーズンに比べてスケーティングの面で伸びた。ステップを難しくし、スケート捌きも良くなった。この面でよく練習したことがうかがえる。浅田については、彼女が競技をしているときがとても好きだ。単純に変身するといっていい。あなたと一緒に見たこの練習は、彼女がどれだけ準備できているのかの指標にはならない。

(ちょうど、真央が2Aしか跳んでいなかったことを指摘しようとしていたところです)
全くそのとおりだ。朝8時から3Aをどうやってやれと?夕方には全く違った真央になるよ。

(国別対抗戦に対するご意見は。)
初日を終えて私が思ったのは、もし自分の好きにできるのであれば、リンクに出て行って男子のメダル3つ全てをプルシェンコの首にかけ、イコンを前にするように彼の下にひざまずくよ。しかも、彼が滑りはじめる前にでもすぐに。ジェーニャが4度目のオリンピックに準備出来たという事実だけで震える。どんな風に滑るかなんて私にとってはまったく二次的なことだ。

(それなら、他のスケーターにはどうなさるのですか?)
その他全員にはもう1種類の褒章を準備する。ソルトレイクシティのペアであったようにね。プルシェンコとは別に、それを目指せば良い。真面目に言うと、オリンピックのプログラムはまったく適切でない配置になっている。国別対抗戦は、個人戦が終わった後に行われるべきだった。少なくとも私だったらそうする。観客にとっても、すでにオリンピック・メダルを持っている人を観る方が面白くなったんじゃないだろうか。あと、交代もなしにするだろう。全く。スポーツか、ショーかという問題だ。ショーであれば、オリンピックにどんな関係があるのかわからない。

(他の練習会でも何度かお見かけしていますが、専門家の関心という面で一番強い印象があったのは何でしょうか?)
フィギュアスケートがここ数年で全く違うものになったということだ。結果を出すためには、氷の上に住まなくてはいけない。でないと、プログラムの中でする必要のあることをすべてをカバーする時間が単純に足りなくなる。実際は、このアプローチは新しいものではない。かつてカート・ブラウニングがうまく使っていた手法だ。彼はまだ、今演技をしている人に比べても遜色ないスケートさばきをしているんだ。その理由は、アマチュア時代ずっと、それだけじゃなくてプロになった後も、カートはスケート靴を脱がなかったといいうことだ。朝ローラースケートでリンクに来て、履き替えて、フルの練習を2回行い、夕方にはもう1度スケート靴をホッケーシューズに履き替える。でも、彼がホッケーシューズでできることは伝えがたいよ。

まさにこの秘密が浅田の滑りの基礎にある。彼女は氷上にいることをこよなく愛していて、日に6時間はそこで過ごしてるんだ、追い出されるまでずっと。池のカエルのようだ。捕まえて陸に置いても、その瞬間また水に飛び込む。ミシェル・クワンがアマチュアを引退するときに、スケートのない人生なんて全然想像できないと怯えて私に言ったことを覚えている。これから何をしていいかわからないと。もしかすると、プルシェンコも、今までスケートをしていることを考えると同じなのかもしれない。

(専門家の目にプルシェンコはどのように映りましたか?)
劣化してはいない。例えば、バンクーバーのときより、あるいはトリノのときと比べて。むしろ、彼は異なった質へと変わったと言いたい。最初の2回のオリンピックでは、彼はただ普通のスケーターだった。彼がそのときプロだったとは私には言い難い。トリノではオリンピック・チャンピオンになっているとしてもだ。そのときの彼にはあまりに大きな余裕の強さがあったため、そのときの弛み気味のコンディションでも負けるはずがなかった。今、私は彼が骨の髄までプロだと思っている。

(そうでなければ、エヴゲニーがこんなに長い時間フィギュアスケートを保つことができなかったと?)
そのとおり!彼は、何をしているか、何のためにしているかと正確に理解している。スポーツではたいへん珍しいことだ。ただ現在の競技レベルの観点からは、彼は表彰台から遠いところになるかもしれない。

(個人的には個人戦で彼を見たいと思っています。でも、それは大きなリスクだというご意見には同意しますが)
それは、プルシェンコ自身が何を求めているかという問題だ。ほら、国別対抗戦の初日、プルシェンコのすぐあとにジェレミー・アボットが滑ったのをみただろう?全く失敗してしまった!ほとんどのライバルには、今のようなプルシェンコでも、うさぎの前に現れた大蛇のような効果があるんだ。もしかすると、彼はメダル争いよりもこの感覚の方好きかもしれない、全く知らないが。私がプルシェンコのコーチだったら、彼のところにいって、「何を求めてるのか?」と訊いて、彼の望む決定を採るだろう。

(男子シングルでは誰がより強いと見ていますか?)
ポテンシャルの点では、羽生結弦だ。まず、彼のような、豊富で同時に質の高いジャンプの武器庫を持つ者は他にいない。羽生が一息で4つのジャンプを跳んでいる映像を見たことがある。4回転、その後ホップを経由して3回のトリプルアクセルだ。どれだけ強さに余裕があるか想像できるか?今日の練習を見ても、羽生は風邪対策のマスクを取らずにプログラム全体を流していた。それに加えて、体型が理想に近い。結弦は小さく、軽く、細い。また、これも重要なことだが、その体型が変わっていないのだ。これとは違って、パトリック・チャンが目に見えて重くなっている。町田樹もそうだ。背はあまり高くないのに、氷上では大きく見える。プルシェンコより大きく見えるくらいだ。

(ユリヤ・リプニツカヤも、体重を増やさないためにかなり厳しい食事制限をずっと守らなければならないと話していました)
スケーターが、空腹でぐったりしていると話すのは好きではない。バレエと一緒だ。食べる量は少なくしなくてはいけないが、体型と筋肉を一定のパラメータで維持すること、それはプロとしての義務だ。しかし、今はとても難しい時期だ。女の子が体格だけでなくホルモンバランスが変わり始める時期。

(私は、オリンピックが1-2年後じゃなく今あってリプニツカヤは運が良かったと言いたいですが)
そのことには完全に同意するが、形式自体が気に入らない。なぜオリンピックの結果が、誰かが単に運が良かったというだけで決まらなくてはいけないんだ?1998年のオリンピックで14歳のタラ・リピンスキの運が良かったように。ミシェル・クワンには運がなかった。2006年の浅田にも、年齢制限が変更になり、運がなかったというのと全く同じだ。彼女がトリノに出ていたら、オリンピック・チャンピオンは荒川静香じゃなかったかもしれないという可能性は否定しない。そして、次に誰に運が振り向くのかは誰にもわからない。私の意見では、年齢制限は必要だが、正しい場所になくてはならない。今よりも上だ。女の子が本当に成熟するまで。

(教え子のアシュリー・ワグナーの準備状況はいかがですか?)
何も予想はしたくないが、私たちにとっては大変だった。アメリカのナショナルは年のはじめに移されたが、アメリカでクリスマスが祝われる12月末には、練習のためのまともな条件を見つけるのが極めて難しかった。リンクのオーナーは、かなりの時間を一般開放に振り分け始める。通常、1つのセッションには10-15人が滑るのだが、クリスマスには同時に100人もの人がリンクにいるんだ。カリフォルニア人は単純に考えるんだ。クリスマスは冬だ。それじゃ、リンクに行かないと、ってね。それでたくさんの人で溢れてしまう。

したがって、正午までという、スケーターにはかなり都合の悪い時間しかなくなる。この時期には2回の練習セッションをすべきなのだが、どうやって?女子を朝6時から跳ばせることはできないよ。

祝★ロシア優勝in国別対抗戦 みんなの言葉:プルシェンコ、リプニツカヤ、ミーシン、町田、高橋 | Home | ソチ・国別SP、プルシェンコ2位!みんなの声や写真。羽生とオーサー。

コメント

No title

大変興味深いインタビューをご紹介いただきありがとうございました。

またリンクを張らせていただきたいと思いますのでよろしくお願いします。

2014/02/09 (Sun) 21:04 | うさこ #- | URL | 編集
No title

管理人様、拝見できて大変光栄でした。

 私は浅田選手のママの様な気(祖母かもしれません)になってしまうファンです。今季から、会場でアルトゥニアンを見かけるようになって、私は精一杯の支持の、感謝の視線を送ってきました。真央のママとして(ファンの方スミマセン!)。


 未だ少し呆然としておりますが、このインタヴュ記事を拙日記に貼らせてください。

 宜しくお願いいたします。

 そして自分の貧しすぎる経験と思惟と言葉ですが、整理しないと人間は前に進めないようです。有難うございます!

2014/02/09 (Sun) 13:03 | 木陰の椅子 #- | URL | 編集

コメントの投稿


非公開コメント