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エレーナ・ブヤノワ:「ソトニコワは、何が欲しいかをいつも知っていた」(1)

ソトニコワのコーチ、ブヤノワのロング・インタがSport-expressに掲載されていました。ソトニコワの調子がなかなか上がらない期間、かなり苦しんでいたことを告白されています。浅田についての考え方も少し(今回の記事には出てきません)。

今回は冒頭部分、どのようにソトニコワをオリンピックに向けて調整していったかの序盤を訳しました。トリノのカロリーナの経験があったから、アデリナにはメダルについて意識させないように努めたけど、アデリナは最後まで諦めなかったというところが印象的です。また、アデリナとリーザがロシア女子のレベルを上げすぎてしまったこと、その後の苦しさにも言及してます。

長いインタなので、3分割や4分割になるかと思いますが、ざっと見たところ本当に面白い内容ですので、気長にお待ちいただけると幸いです。

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エレーナ・ブヤノワ:「ソトニコワは、何が欲しいかをいつも知っていた」


http://winter.sport-express.ru/figureskating/reviews/43758/
エレーナ・ヴァイツェホフスカヤ

夫が空港に迎えに来てくれたときのことを思い出すと暗くなる。まるで霧の中にいるようだった。最初の2週間はただ寝て、食べて、そしてまた寝ての繰り返しだった。大きなプレッシャーという問題がどんなものかというのが、ソチではじめて分かった。毎朝、マッサージをお願いしているタマラ・グヴォズデツカヤが部屋に入ってきて私を起こし、常用薬を飲ませてくれて、それでやっと起き上がることができたくらいい。アデリナがフリーを滑ったときなんか、私はもう立っていられなくて、フェンスにつかまっているくらいの限界にいた。

(アデリナは金メダルの演技で実質的に人生すべてを出しきりました)
彼女は何年もずっとそのために歩いてきたのだから…。実際、私たちにとってとてもつらいことだった。2人とも、ここ2年間であきらめようと思い始めていたところだった。アデリナとリーザ・トゥクタムィシェワは、かつて女子スケートのハードルをとても高く上げ、そのためにかなり激しい競争が引き起こされた。でもその後突然、2人とも、その高みに留まり続けることが常にうまくいくわけではないと感じられるようになった。2年間ずっと転んだことのないスケーターが突然転ぶようになると、何が起こっているのか理解するのがとても難しいことがある。でも、アデリナが耐えぬいたことをとても嬉しく思っている。どれだけの女の子が、成長期にレースを放棄するかご存知でしょう。

(ソトニコワにとっても、高みに達せないという危険はありましたしね。他の多くの女子スケーターがそうであったように。オリンピック金メダリストを育てるということ自体は可能なものなんでしょうか?それともこの結果は、いつも状況の偶然の一致によるものなんでしょうか?)
おそらく両方。一定の成功がなければ、言うまでもなく、なにもうまく行きかない。私自身が教えられていたときもそんなことをずっと考えていた。同じリンクには私以外にも何人か女子スケーターがいて、私より出来の悪い子は確実にいなかったし、私より良い点も持っていたかもしれない。少なくとも、私より練習していない子はたぶんいなかった。でも、私には突然結果がついてきて、彼女たちは結局どこにいったかもわからない。

コーチとして働くようになってから、何よりも恐れていたのはこのことだった。スケーターを預かって、そのスケーターの目標にまで連れて行くことができないのではないかと。これだけの努力と健康を犠牲にして、何も持たずにスケートから去るのはとてもつらいことだと思う。しかも、こういう人たちは、他の職業でどれだけ成功したとしても、その後の人生でずっと、どこかとても深いところにこの痛みが居座りつづける、というのを私は何度も見てきた。何かとても大きなものに到達できたかもしれないのに、それができなかった、という痛み。ただ、状況がそうならなかっただけだというのに。

(ソチ・オリンピックが始まるまで、ロシア女子のチャンスについては、最高でも誰か1人が銅メダルにしがみつければ良いという見方に皆さん傾いていました。でも、心理的に「銅メダルにしがみつく」よう思わされたスケーターが、それよりも上のものを得られるとは、この人生で信じることはできません。あなたはソトニコワについて、そして自分自身について、最大限の結果に向けて以前からどのように気持ちをコントロールしようとしたのでしょうか?)
ホームでのオリンピックにはとても警戒していた。ホームでの空気というのがカロリーナ・コストナーを完全に打ちのめしてしまったトリノのことを知りすぎていたから。だから、アデリナがメダルの可能性をあまり意識しないように努めた。でもアデリナはひそかに1位というのをずっと頭に置いていた。このシーズンはかなり長いこと悪い方へ悪い方へと進んでいたから。アデリナが練習でひどい滑りをしていたとときには訊いてみることもあった。こんな滑りで何を期待しているの?彼女はいつもぶつぶつ言っていた。「それでも私はオリンピックで金メダルを獲る」と。

(彼女がそう言っていたのは、あなたに対してだと確信していますか?)
アデリナはまず自分自身を信じさせようとしていたのだと思う。ソトニコワにとって重要なのはなんだかご存知?彼女の心の奥底には、とてもしっかりとして折れ曲がることのない軸がある。それが常にあった。彼女は自分が欲しいのは何かを知っている。もちろん、今年、アデリナにはたくさんの様々な専門家が協力してくれたという事実を忘れることはできない。彼らと、スケート連盟、スポーツ省が支えてくれたこと。きちんとした練習ができたのは、彼らの努力によるところが大きい。スケーティングの専門家や、体力トレーニングのトレーナー、振付師、マッサージ師、物理療法科の医師、栄養士などが入ってくれて…。以前はそんなこと夢にも思わなかったことで、率直に言うと、心の底からこれがこの先も続くことを期待している。

はじめは、アデリナをこの専門家たちの間でどう分けるべきなのか、私自身よくわかっていなかった。自分が調整役も引き受けることになった。ちょっと乱暴に聞こえるかもしれないけど、馬をよく世話をしてかわいがっている素晴らしい厩から、跳躍演技のために出てきた馬の毛並みすべてが、シルクのようにツヤがあり流れるような感じを思い起こさせることがある。私たちはアデリナをオリンピックに向けてそんな状態に仕上げた。

(続く)

テーマ: フィギュアスケート | ジャンル: スポーツ

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